一般社団法人 子どもと家族のQOL研究センター 代表理事様から、小さな灯台に寄せてメッセージをいただきました。
私の専門領域の「家族看護」では、健康問題を抱えた患者さん本人だけでなく家族全体の健康や満足度、QOL(生活の質)と呼ばれているものの向上を目標に、看護を提供しています。
では、患者さんの最期のときをどのように過ごすことができれば、家族の満足度やQOLが高く保たれるのでしょうか。それは、痛みが緩和されていて呼吸苦がないなど、患者さん自身が安寧な状態にあることだと、多くの研究が教えてくれています。
一方、多くの患者さんは、家族に心配や迷惑をかけたくないと望んでいます。高齢の患者さんは子どもたちや孫たちに迷惑をかけたくないと望み、若い患者さんは両親や子どもたちに心配をかけたくないと望みます。
こんな風にお互いを思いやっている患者さんと家族ですから、相手の意思や希望がわからないでいることは、お互いにとてもつらい状態と言えます。「小さな灯台」は、そんな問題の予防にもつながるプロジェクトと言えるのではないでしょうか。
一般社団法人 子どもと家族のQOL研究センター 代表理事
国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科
保健医療学専攻看護学分野家族看護学領域教授
保健学博士
上別府 圭子