信頼できる医師を見つけることができていたら……
遺族アンケート
91歳母/看取った人・子ども/神奈川県/2022年回答
母は60代で両親を介護して家で看取り、70代で尊厳死協会に入っています。80代前半まで一人で暮らしてその後施設に入居しました。入居の際に協会のことを伝えており、希望通りの最期でした。ここ数年はコロナで面会禁止。散歩もリハビリもなく細い身体(27kg)にワクチンを打たされて、ただ生きている状態でしたので楽しいこともないしつらい日々でした。痛い思いをせずに静かに亡くなったのが幸いです。
Living Will No. 182倉本聰さんの「そしてコージは死んだ」の記事は衝撃的でした。こんな苦しい死はゴメンです。母も91歳まで生きて、生きる力を使い果たして老衰で亡くなったので尊厳死が受け入れやすかったと思います。特にコロナで家からすぐの施設にいたのに面会もできず、疎外感ばかりでしたから。
自分が尊厳死を望んでも、コージさんのようなことはあると思います。
一度施設を出て在宅でやれるかと思って検討した時がありました。コロナで全く会えないし散歩もリハビリもなく個室で放っておかれる感じでしたので……在宅医療、リビング・ウイル受け入れの病院を探してみましたが信頼できる病院が見つかりませんでした。信頼できるかかりつけ医を見つけることができたら母の最晩年が楽しめたかな。これが後悔していることです。
協会からのコメント
「死」は断念を教える教師とはいえ、その気持ちの整理には人それぞれの「心の軌跡」があります。とりわけ、コロナ禍というこれまで誰も体験したことのない事態を経験された思いは、さぞかしさまざまな複雑で寄る辺のない思いが錯綜されたことでしょう。どうぞ【小さな灯台・情報BOX】の「グリーフケア―大切な人を亡くした哀しみを癒すために」情報をご参考にしてみてください。
特別な時期の特殊な看取りの経験も「小さな灯台」に記録として残し皆様に紹介することで、役割を果たしたいと思います。つらいご経験を投稿いただきありがとございました。くれぐれもご自愛ください。