緩和ケア病棟は遺された私の心のよりどころ

遺族アンケート

86歳母/看取った人・娘/東京都/2024年回答

母親は、心不全、不整脈の持病があり、少し動いただけで息苦しい、咳が出る、痰が絡むという症状があっても、本人も私も循環器内科と思いこんでいました。大学病院に救急車で搬送された際に、 肺がんと告げられ、しばらくは信じられず呆然としてしまいました。

尊厳死協会に入会していることは入院時に伝え、とにかく、つらい治療はせずに、苦しさをとることだけを主治医にお願いしました。

やはり、大学病院は、急性期病院のため、医師・看護師とも、忙しくバタバタしており、母親のつらさ苦しみにそこまで親身に対応できなかったのかなと思いました。

 ソーシャルワーカーさんに緩和ケア病棟がある病院を紹介していただき、転院することができました。ここは、看護師スタッフの皆さんが、本当に心から母親のつらさに向き合ってくださいました。

緩和ケア病棟は、尊厳死のことを100パーセント受け入れてくださって、本当に安心して入院させることができました。スタッフの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。母親も望んでいた形で最期の日々を過ごせたと信じています。

緩和ケア病棟は、私が遺族となった今も私の心のよりどころとなっています。亡くなった1週間後くらいに、寂しさと一人で生きて行く不安とでつらくなって、病院に足が向いてしまうことがありました。また、3か月を経過した頃、看護師さんからお手紙もいただき、涙が出るほどうれしかったです。

寂しくなった時、気持ちがつらくなった時、緩和ケア病棟の看護師さんにお会いしたいとふと思うことがあるのですが、さすがに、頻繁に訪問するのも申し訳ないと思い、気軽に訪れることはできません。いつでも気軽に行けて、自分の寂しさ、不安な気持ちを癒すことができるそんな場所になると良いのに、、、と切に思っています。

協会からのコメント

救急車で搬送される先は急性期病院です。その後、緩和ケア病棟や、ホスピスなど病院にはそれぞれ役割と医療行為の内容が違います。(【情報BOX】病院によって役割がちがうの? 開業医師と病院の医師は何が違うの?(2022年7月15日)をご参照ください)

緩和ケア病棟(またはホスピスなど)ではどのようなケアがなされ、ご家族がどのように癒されるのかが良く伝わってくる「看取りのエピソード」です。

緩和ケア病棟の看護師は、ご遺族が看取られた場所で、思いを語りあうことがグリーフケアにつながることを良く知っています。反対に二度と立ち寄りたくないというご遺族もあることも心得ています。遠慮せずに訪問して利用なさって良いのです。また3か月後くらいが哀しみのピークを迎えることも研究で明らかにされていて、担当の看護師がご遺族に手紙を出すことをルーティンにしている緩和ケア病棟(ホスピス)もあります。

さらに半年後、1年後と区切りの良いところで、患者・家族を対象に名称はさまざまですが「トークサロン(又は患者・家族会等)」を実施している病院もあります。それらを利用することはとても良いことです。

「小さな灯台」では、今後、そのようなグリーフケアを実際に経験した方々からの投稿も期待しています。【情報BOX】グリーフケア―大切な人を亡くした哀しみを癒すために(2022年8月31日)もぜひ、ご参照ください。

くれぐれもご自愛ください。