現代の医学の中では自然な形で亡くなるのは難しい

遺族アンケート

96歳父/看取った人・娘/東京都/2022年回答

回答が遅くなり申訳ございません。体調が急変し、施設から病院に入院した時は、治ってまた戻るつもりでいました。それでも最初に担当主治医の先生にはリビング・ウイルについてお伝えしました。その中で精いっぱい対処してくださり、すべてとても的確だったと、感謝の思い以外何もありません。亡くなって病院を出る時まで、心のこもった治療と、病人への敬意と、家族への思いやりと、それでもとても冷静な判断をしていただきました

生前本人の意志を何度も確認する機会がありましたので、皆で迷わずに済みました。そんな中で現代の医学の中では、自然な形で亡くなるのは難しいことだとも思いました。最後は圧力の強い酸素マスクをしていましたし、家族の到着を待つために、機械を止めるのを待っていてくれました。必要なことでしたが、コロナ禍のもと、そばに付き添うことができなかったこともあり、何となくまだ気持ちの整理ができていないようでもあります。

協会からのコメント

2020年1月からのコロナ禍による厳しい規制が敷かれた数年間のご遺族アンケートには
「家族として無念な思いです」「現実のものと思えない」「気持ちの整理がつかない」という気持ちを物語る投稿が多くあったことを「小さな灯台」は忘れないようにしたいと思います。

「生前本人の意思を何度も確認する機会があった」ので迷わずに済み、医療者の対応に感謝の気持ちをもっている家族でも、コロナ禍の医療体制のもとでやむを得なかったと承知していても「大切な人の死に付き添えなかった」という家族の無念な思いという感情は残るのだと。

大切な人を亡くされた人の誰もが感じる感情を和らげてくれるのがグリーフケアです。
【情報BOX】「グリーフケア-大切な人を亡くした哀しみを癒すために」も参考になさってください。ご家族と共にご冥福をお祈りしております。