患者の意思を尊厳する対応に感謝

遺族アンケート

入院時に「急変時の治療説明書及び同意書」の提出を求められ、丁寧な説明の後に延命処置を希望しない旨を文書で意思表示しました。担当医師は大変理解のある先生で、本人及び家族の意向を理解して下さり、入院中も複数回に渡り「病状の詳細な説明と治療方針及び具体的な処置」の説明をして下さいました。同時に家族の意向も丁寧に聞き取りをして下さり、相談をしながら家族の意向を尊重する最大限の対応をして下さいました。また看護師にもその内容が正確に伝えられ、適切な対応をしていただきました。担当医師、担当看護師の皆さまの御理解と心のこもった患者の尊厳を尊重する対応に心から感謝する次第です。

協会からのコメント

この投稿から察するに、入院時に「急変時の治療説明や同意書」を求められたと言うことは、複数回の入院履歴又は情報があり、終末期に近づいていると医療者が判断できるような状況だったのだろうと思います。緊急入院の場合は、本人と家族の情報収集、興奮している家族への対応や事務手続きなどが煩雑で、ご家族が納得のいくような対応は難しいことが多いのです。にも拘わらず、担当医が、本人・家族の様子を観察し配慮でき、十分な時間をかけて対処しているのは本当に素晴らしいと感じました。

 協会では、このような素晴らしい対応をしてくださった医師や病院に対して、協会理事長から感謝の気持ちを伝えるとともにリビング・ウイル受容協力医師としてご登録のお願いのお手紙を出しています。この看取りのエピソードの担当医師は埼玉慈恵病院の上石修史医師でした。「尊厳死の宣言書」の趣旨を理解し、早速、氏名を公表して会員の力になりたいと表明してくださり、リビング・ウイル受容協力医師の登録をご了承いただきました。(会報バックナンバー175号P24に掲載されています。)

これからも、会員の皆様の貴重な体験をもとに、協会では、お一人おひとりに誠意を尽くして、リビング・ウイル受容協力医師の開拓に努力し、協力してくださる医師の皆様の応援をし続けて参ります。会員の皆様からの「看取りのエピソード」の投稿を、これからもどうぞよろしくお願いいたします。