新型コロナウイルス感染症と緩和ケア(The Lancet 2020.4.11)

効果的で(経済的に)利用しやすい緩和ケアは平時より充分に行き渡っているとは言えないが、このコロナパンデミックにより、終末期ケアを含む緩和ケアの提供はますます困難になると考えられる。
医療ケアの人的、環境的資源が枯渇し、また急性感染症の性格上、死にゆく人は隔離が義務付けられ、家族や愛する人とお別れすることも触れ合うことも出来ない。
WHOは、パンデミックの最中に必須の保健サービスに関するガイダンスを発行し、予防接種、妊産婦ケア、救急医療、慢性疾患などを強調したが、緩和ケアについての言及はなかった。これは明らかに見落としである。
パンデミックは肉体的疾患と死、ストレスと不安、そして経済的および社会的不安定による苦痛をもたらし、増幅させる。その苦しみを軽減することこそが、このパンデミックに対する対応であるべきだ。

原文はこちらから 
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30822-9/fulltext

終末期ケアのガイドはこちらから(ご参考)
a guide to palliative and end of life care