【公益法人の認定を受けて】

ごあいさつ

 このたび公益認定等委員会より公益財団法人への移行が認定され、認定書を受理いたしました。

平成24年に理事長に就任した際、「リビング・ウイルの普及啓発のためには、法制化と協会の公益法人化が必須である」と考え、今日まで職務に邁進してまいりました。

尊厳死の法制化については、協会は平成16年から国会議員による尊厳死法制化議員連盟の立ち上げや、その運営等をサポートしてまいりましたが、いまだ実現しておりません。そのような事情から、国は法律よりもむしろ「人生会議(ACP)」を推進するとして、人生の最終段階での医療について、本人、家族、医療者・ケア提供者の話し合いによる意思決定を支援しようとしています。

協会の公益法人化については、平成27年に公益法人認定申請をしたものの、「協会のリビング・ウイルの登録管理事業を公益目的事業として認めると,医師を治療中止へ誘引する等の悪影響(法的な不利益)を与える可能性がある」との理由で内閣総理大臣から不認定処分がなされました。協会はこれを不服として、訴訟の場で3年にわたり争ってまいりましたが、第1審、2審とも協会が勝訴し、国が上告を断念したことで、令和元年11月13日に判決が確定しました。

これを受けて内閣府公益法人認定等委員会事務局との協議を重ね、認定までの3年間に変更された役員や予算決算に関する報告書の差し替え等を行い、今回、公益認定等委員会から納得のいく判断をいただきました。

新法人としてスタートする日本尊厳死協会は、終末期に至るまでの医療に関する自己決定を、憲法に保障された「幸福追求権」ととらえており、今後とも、リビング・ウイルの普及啓発に努力してまいります。

令和2年4月1日

公益財団法人 日本尊厳死協会
理事長 岩尾 總一郎