「福生病院事案」に日本透析医学会が声明
福生病院事案」に日本透析医学会が声明
今年3月に新聞報道で大きな話題になった「公立福生病院における透析療法を終了して死亡に至った44歳女性の症例」について、日本透析医学会が見解と声明を出しました。(添付ファイルに全文)
それによりますと、新聞の報道後、福生病院から日本透析医学会に調査依頼があり、すぐに調査委員会を発足させ、透析終了の事例がほかにもあるとの情報に接し、全例の調査を行ったとのことです。
しかし透析医学会は「もっぱら学術研究団体であり、捜査機関でも裁定機関でもないため、生じた事象に対する『善悪』を判断する権限も資格もない」との立場から、調査の目的は「事例の問題点を明らかにし、学術的観点から議論し、今後の医療のあり方や指針を策定すること」としています。
としつつも、この症例については、「臨床的諸事情を鑑みると、患者さんが自ら血液透析終了の意思を表明しており、その意思が尊重されてよい事案であると判断しました」と述べています。
そして最後に、「透析をおこなっている患者さんは終末期には含まないこと」を確認し、今回の事例を検討しながら、医療者側の理解と患者さん側の理解には、まだまだ大きな隔たりがありうる、ということを改めて認識したとしつつ、こうした不幸な状況を避けるためにも、「患者さんにわかりやすい言葉で繰り返して説明を行うこと」がなにより重要であると強調しています。