オランダ安楽死法第3回評価レポート公表

 オランダ安楽死法の第3回評価レポートが公表された。法施行から15年を経て、法律の効果と〝副作用〟についてのレポートで、「この法律は正しく機能し、満足できる結果を出している」と評価されている。国民の88%が「この法の存在をよし」とし、76%が「終末期には自らの意思で選択できるだろう」と概ね満足している状況のようだ。
オランダでは法ができる以前から政府が安楽死の実施状況の評価を5年ごとに公表しており、法施行(2002年4月)以降では2005年、2010年に次いで3回目となる。ほかに毎年の実施状況に関する「年次報告書」が出ている。
安楽死を希望する書類を取り寄せたのは法施行当初の年間4050通から、2015年位は6800通に増えた。要請した国民で実際に希望が叶えられたのは2015年には55%だった。要請者はほとんどががんのような身体的病気を持つ人だったが、「認知症」(3%)、「統合失調症」(4%)、「生を完結したい」(6%)からという理由も少数だがみられた。
 NVVE(オランダ尊厳死協会)が注目するのはセデーション(鎮静)の動向。実施割合は2005年の8.2%から2015年には18%と上がっている。患者が安楽死を要請してもセデーションが実施されれば、それは安楽死には該当しないからだ。

 下記のアドレスで、「第3回評価」の英語版サマリー(19~25頁)が読める。
https://publicaties.zonmw.nl/fileadmin/zonmw/documenten/Kwaliteit_van_zorg/Evaluatie_Regelgeving/Derde_evaluatie_Wtl.pdf

死の権利協会世界連合ニュース(5月24日)より