ご家族様からの声・2016年ご遺族アンケートより

本人は安心して生き、家族はそれを支えることが出来ました

凛として自分の旅立ちを決めていた母を、美しく、気高く、素晴らしく誇りに思います(長女)

「最期まで人間らしく生きたい」と言った夫に対し、「賢明な判断です」と支えてくれた医師に感謝(妻)

父が協会に入っている、ということが様々な局面での判断基準になりました(長女)

リビング・ウイルには、無理矢理生かされる苦痛を避ける効果が確かにあると思いました(息子)

※実子が早世したり付き合いが無くなっていた義母(90)の最期を看取ったのは長男の嫁である私でした。延命措置を希望しない義母の言葉を、私の立場では言い出し辛く、悩んでいましたが、LWがあったお蔭で医師や親戚に伝えることが出来ました。(埼玉県)

※「口から食べられなくなったら終わり」と常々言っていた父(93)ですが、胃ろう、点滴、人工呼吸器なし、という勇気ある決断をして下さった医療チームのご理解とサポートで、最期まで人間らしく天寿を全うすることが出来て本望だったと思います。自らのLWを残しておいてくれたことで、家族として迷うことなく父の意思を尊重することが出来ました。(東京都)

※度重なる入退院の後、「もう入院は嫌だ。最期は自宅で」と希望。自分のことは二の次、三の次にして、周囲の希望を優先してきた優しい夫(79)でしたが、最期は自分の想い通りにして逝きました。今頃は空の上で母やお友達に迎えられ、賑やかに楽しんでいると思います。(大阪府)

※義母(95)は協会の趣旨に強く賛同し、入会後は会員カードをずっと身に着けていました。亡くなる1~2年前頃から身体が弱り、認知症の症状も少し出始めると、今まで絶縁状態だった娘が急に現れ、医療方針や生活環境に関して騒ぎ立て、母や周囲を混乱に巻き込むようになりました。しかし、義母のLWを預かっていた医師や施設側は、冷静に対応してくれて、結果義母は穏やかに眠るように旅立つことが出来ました。このカードと協会がなかったら、母の治療方針をめぐり、親族間で本当にひどい争いになっていたかもしれません。この1枚のカードは、ずっと傍にいて義母と一緒に過ごしてきた嫁の私にとって、義母と私と繋ぐものになっていたように思います。亡くなった義母に「有難うございました。」と今、改めて伝えたいです。(埼玉県)

※常々、家族や周囲の方々に、協会の事を話していた夫(78)です。亡くなる前月に、ある会で「もう皆高齢なのだから、こういう会(尊厳死協会)があるから入っておいた方がいいよ」と話していたらしく、弔問に来られたその会の方々が驚いていました。脳梗塞を起こし、急なお別れとなりましたが、皆さん「いい最後だな」と言って下さいました。私も「貴男の希望通り、静かに生を終えられました。これで良かったんですね。」と遺影に声をかけると、少し元気になります。(千葉県)

※自宅で倒れ、救急車で運ばれた病院で「心臓が止まっているので、これから処置する」と聞いて我に返り、「父(92)は尊厳死協会の会員です!」と告げた途端、医師は「エッ!」と驚いて処置室にいた医師、看護師に「やめて!」と指示をしました。父が亡くなって2か月。延命措置を拒否した複雑な気持ちはまだありますが、入会後届いた会員証に自筆で署名して「これで安心だ」と言っていた父の笑顔を思い出しています。(兵庫県)

※人生の最期の最後まで、自分の治療に関して選択権があるということは、母(71)にとってより良い時間を過ごそうとする原動力となりました。(東京都)

※医師にカードを提示すると、「良いことだと思いますよ。私の親も入っていました。」と言われました。他の病院でも協会の趣旨を理解して下さり、このカードのおかげで、先生方とスムーズにコミュニケーションをとる事が出来ました。(東京都)

※なかなか言葉にまとまりませんが、父の時と紙(宣言書)一枚の違いで、母(79)はとても穏やかに最期を迎えられたと思います。(東京都)

※ドイツ哲学の研究者であった夫(88)が、風邪をきっかけに胸水がたまり、貧血もひどくなってきたとき、原因を突き止めようとする若い医師に対して「これが老衰というものですよ」と申し上げ、薬も拒否し、家に帰ることを希望しました。在宅で20日間、最期は美しく目を閉じ、希望通りの終わり方でした。(京都府)

※早すぎるかとも思ったが、私が66歳、妻が61歳の時に入会した。その後妻がアルツハイマー病を発病するとは、全く予想していなかった。あの時入会しておいて本当に良かった。(神奈川県)

※6年前母(92)が脳梗塞で倒れた際、母がLWを持っていることを知りながらも家族は治療を望み、入退院を重ねました。家族としては、頭ではLWの意味を分かっているつもりですが、いざその場面に直面すると、やはり延命を望む気持ちが強く出て、本人の希望に反する行動をとってしまうことを理解して頂きたいと思います。(愛媛県)

リビング・ウイルが果たした役割は

協会では、亡くなられた会員のご遺族に協力して頂き、リビング・ウイル(LW)が役立ったかどうかをアンケート調査しています。2016年は910人から回答を頂きました。

773人(85%)がLWを医療者に伝えていて、「LWは受け入れられましたか」との質問には、「十分受け入れられたと思う」が60%、「どちらかといえば受け入れられたと思う」は31%で、91%のご遺族がLWの医療的な効果を認めています。

「LWはご家族にとってどういう意味を持ったか」を伺うアンケートも実施したところ、複数回答で、一番多かったのは「本人の意思を実現出来た。(510人)」、次に「医療方針を決定するに当たり、家族にとって迷いがなくなった。(494人)」、更に「医師とのコミュニケーションに役立った(298人)」、「LWを持っていることで本人が安心して暮らせた(258人)」でした。