自殺ほう助合法化、僅差でNO! —米マサチューセッツ州住民投票
米大統領選が行われた2013年11月6日、東部地区のマサチューセッツ州では同時に住民発議により、「医師による自殺ほう助を合法の賛否を問う」住民投票が行われた。死の権利協会世界連合ニュースによると、結果は反対51%、賛成49%で「住民投票はかろうじて自殺ほう助を負かした」となった。
アメリカでは50州のうち西部地区のオレゴン州、ワシントン州で医師の薬物処方による末期患者の安楽死を州法で認めている。またモンタナ州では州最高裁で合法判決が出ている。
その大統領選で勝ったオバマ大統領も「持っている」と述べているのがリビングウイル。いまは米国人の41%、約1億人が所持している。
欧米各国で普及する事前表示書は、国により違いがあっても、共通点は臨終を迎えるにあたり自分の意思を表明し、意思疎通ができなくなった場合の医療代理人を事前に指定する文書が法定化されていること。
昨年5月、スイスで開かれた世界連合チューリッヒ国際会議に参加した際、「日本ではまだリビングウイルの法制化もされていないのか」と驚かれた。リビングウイルが当然の国からはそう見られてしまう。「前に進めない国」を早く脱したいものだ。
(日本尊厳死協会理事長・世界連合理事 岩尾總一郎)