協会の岩尾理事長が「終末期医療」について横倉・日本医師会長と対談
迫りくる超高齢多死社会のなかで、終末期医療に関する意識も変化してきている今、日本尊厳死協会の岩尾總一郎理事長が、日本医師会の横倉義武会長と対談した(3月26日付、読売新聞朝刊)。
より良い最期を迎える心構えについて、「どういう形で最期を迎えたいのかは、いかに納得できる余生を過ごせるか、最後の限られた生をどう生きるかという問題と裏腹。自分でよく考え自分で決めるというのが、今求められている」と話し、それを受けて横倉会長は、「人はいつか終末を迎える。その際は、『人間らしく生きたい、尊厳ある死を迎えたい』と強く願う人が多いと思う。医師はその人らしい終末を迎えてもらえるよう対応したいし、体制を整えていきたい」と応じた。そのために今年度から、日本医師会の生命倫理懇談会で、哲学者や宗教家、法律家などいろいろな分野の専門家も交えて議論を始め、この秋には「報告書」を取りまとめる予定という。
患者の意思を確認する手段として「リビングウイル」(生前の意思表示)を導入する医療機関が日本でも増えている。これに関して、岩尾理事長は「現在、当協会の会員は約11万人。保持率が25~40%と言われるアメリカや12%というデータのあるドイツと比べると低い。低いながらも、尊厳ある死を考える、という取り組みは医療現場で広まりつつあるし、家族との関係や残された時間の過ごし方などを総合して尊厳ある死を考える病院が増えてきている」と語った。