第1回LW研究会【概要】

◆開催日: 2013年6月9日(日)
◆主催: 一般社団法人 日本尊厳死協会
◆会場: 政策研究大学院大学 想海樓ホール


第1部・座長 岩尾 總一郎 (日本リビングウイル研究会 代表幹事)
第2部・座長 長尾 和宏 (日本リビングウイル研究会 副代表幹事)
総合司会 丹澤 太良 (日本尊厳死協会 理事)

代表幹事に岩尾理事長が就任

 第1回リビングウイル研究会は東京都・六本木の政策研究大学院大学のホールで開かれた。講演に先立って開かれた設立会では、日本尊厳死協会の岩尾總一郎理事長が代表幹事に就任した。副代表幹事には同じく長尾和宏副理事長が就いた。

 研究会は当面、尊厳死協会内部に事務局をおくことになっているが、岩尾代表幹事は「協会の方針 にとらわれず、幅広い議論を期待したい」と説明している。今後、研究会は年に数回開かれることになっており、その内容を会報としてまとめ、入会者で情報を共有することも考えている。

約200人が参加

 この日の講演会には、尊厳死に理解を示す受容医師ら150人が集まった。

 前半の講演には富山県の松尾幸郎氏が、交通事故で全身麻痺に陥った妻のいのちと向き合った7年間を振り返りながら、尊厳死とは何かを1時間に渡って講演した。松尾氏は約20年、滞在した米国のリビングウイルについても詳しい。米国では、患者本人の判断能力が失われたときに代わって延命治療を続けるかどうかの決断をする「代理委任書」がリビングウイルとセットになっていることなどを挙げて、日本の状況に注文をつけた。

 向き合っている医師や、認知症を心理学的な側面から研究している学者、複雑な思いを抱く家族、そして法律的な側面からもアプローチできるように弁護士にもおいでいただき、それぞれの立場を尊 重しながら、忌憚なく話し合っていただいた。

執筆人によるパネル・ディスカッション

 また、後半のシンポジウムでは、尊厳死協会の東海支部が中心となって出版にこぎつけた「新・私が決める尊厳死」の筆者らによるパネル・ディスカッションが開かれた。病態によって異なる「末期」の定義などについて話し合った。