第1回LW研究会【ビデオ報告】
当代表幹事 岩尾總一郎より研究会の設立趣旨のご説明と発足のご挨拶です。
第1部 講演者ご紹介
第1部座長の岩尾總一郎より、講演者の松尾幸郎さんをご紹介します。
第1部 講演「リビングウイルの必要性—日米での生活体験から—」
2007年に交通事故で全身不随になりながら一命を取り留めた妻の巻子さんと、支える幸郎さんの、いのちに向き合う日々。
米国に20年滞在した松尾さんが実感する日本と欧米諸国の間にある、「リビングウイル」や「医療代理人制度」、「患者の権利」に対する考え方の大きな隔たり。松尾さんが考えた尊厳死とは。
第1部 座長コメントと質疑応答
松尾さんの講演に対する協会としての見解と、会場の皆様・講演者・座長間で交わされた質疑応答です。
ターミナル患者の精神的苦痛・社会的苦痛に対する救済は。在宅医師、透析医師の現場における苦悩とは。
第2部 シンポジウム「新・私が決める尊厳死」開会のご挨拶
第2部座長の長尾和宏より、開会のご挨拶です。
第2部 講演「救急救命処置に続く救命処置」
藤田保健衛生大学総合救急内科・岩田充永准教授
救急の現場で考える「尊厳死」を本音でお話し頂きました。一度始まった救急措置を止めることはできるのか、ご本人の意思と家族の意向はどちらが尊重されるのか。
第2部 講演「回復不能な遷延性意識障害」
鈴鹿医療科学大学・葛原茂樹教授
遷延性意識障害の段階的病態と尊厳死。自分がそうなるかもしれないことを想定してリビングウイルを作成しておくことの必要性をお話し頂きました。
第2部 講演「認知症」
国立長寿医療研究センター在宅連携医療部・三浦久幸部長
2人に1人がなると言われる「認知症」。認知症に末期という定義はあるのか、胃ろうなど経管栄養の差し控えについてなど具体的にお話し頂きました。
第2部 講演「腎不全における不治かつ末期とは」
春日井市民病院・渡邊有三院長
我が国の人口411人に1人が透析患者という現状で、継続中止・不開始の基準を作ることの重要性を指摘。患者が意志決定するまでのプロセスが大事であり、十分な医療情報を提供した上での自己決定は尊重されるべき。揺れている医療現場をお話し頂きました。
第2部 講演「筋委縮性側索硬化症(ALS)など神経性難病」
神経内科クリニックなんば・難波玲子院長
神経性難病の分野で延命処置を希望しない場合の留意点などを具体的にお話し頂きました。人工呼吸器などを緊急装着された後の患者の意思はどう尊重出来るのか、進行した病態での急変は自然経過と捉えるこべきなのか。
医師と在宅支援者間で情報を共有し、コミュニケーションを密にし、特に事前指示を明確にしておくことが大事です。
第2部 会場オーディエンスと執筆者によるディスカッション
終末期の周辺には様々な心配事や問題点があります。死をタブーとせず、家庭の中で、あるいは教育現場では初等教育から、医学生においては卒業要件に組み入れたり、卒後教育として導入する必要があるのではないか。
海外ではリビングウイルを尊重しないのは人権無視であると言われるのに、なぜ日本では違うのか。弁護士も含めて多角的に真剣に話し合いました。