韓国で延命治療中止を法制化、2018年施行
韓国で延命医療中止等を法制化、2018年施行
韓国で、終末期患者の延命医療中止等を法的に認める「ホスピス・緩和医療および終末期患者の延命医療の決定に関する法律」が2016年1月8日、国会本会議で可決成立した。法案は終末期医療に関する7つの議員立法案を統合、調整した〝国会の総意〟であり、在籍議員203人のうち202人が賛成(棄権1)した。2月3日公布され、施行は2年後の2018年2月。韓国のメディアが伝えている。
同法は、ホスピス・緩和医療の拡大と終末期患者の延命医療の決定(不開始、中止を含む)およびその履行に必要な事項を定めて、自己決定を尊重して患者の「最善の利益」を保障する。
主な内容をみると、担当医が延命医療の不開始、中止を決定できるのは大きく分けて次の3つの場合。
① 患者自身が意識のある時に中止等の意思を明確に示している。
② 意思確認できなくても、患者家族全員が中止等を合意し、医師2人(担当医と専門医)が同意。
③ 未成年者については法的代理人(親権者に限る)が意思表示し、医師2人が同意した。
該当患者に対し、担当医は速やかに延命医療中止等の決定を履行しなければならないと規定するが、「疼痛緩和医療と栄養分・水・酸素の単純供給は差し控えまたは中止してはならない」としている。また、担当医が決定・履行を拒否するときは、医療機関に担当医の交代を命じている。
患者の意思表明については「事前延命医療意向書」の作成、登録を制度化し、登録機関として医療機関、リビングウイル事業をする非営利法人などをあげている。これらを適切に管理する国家機関として「国立延命医療管理機関」が設置される。