カリフォルニア州「PAS合法化」法が成立、ブラウン知事署名
カリフォルニア州「PAS合法化」法が成立、ブラウン知事署名
米国カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は10月5日、州議会で可決された末期患者に対する医師による自殺ほう助(PAS)を容認する法律(The
End of Life Option
Act)案に署名、同法は成立した。PASを州法で合法化する全米で5番目の州となる。死の権利協会世界連合ニュース、CNNなどが伝えている。
同法は、回復の見込みがない患者が自分の意思で死を選択できるようになり、薬処方などで死を手助けした医師は罪に問われない。PASが認められるのは、意思決定能力がある18歳以上で、2人以上の医師から余命6か月未満と診断された患者。口頭で2回の要請(意思表明)のほか、書面による要請が必要など、厳しい条件が付いている。
カリフォルニア州では2014年秋、脳腫瘍で末期患者だったブリタニー・メイナードさん(29歳)が「私は2014年11月1日に死にます」と公表、PASが合法化されている隣のオレゴン州に移り、オレゴン州尊厳死法に基づいて医師から処方された薬を服用して亡くなった。この出来事をきっかけにカリフォルニア州でも立法機運が高まり、議員立法が提案された。
州議会の審議では、上院が賛成多数で可決(6月)したが、下院ではカトリック教会などの強い反対もあり委員会で廃案にされた。しかし、法案を支持する議員によって再提出され、サンセット条項(議会で延長決議がない限り、10年で法律廃止)を付けることで9月4日、下院も通過していた。ブラウン知事は、カトリックのイエズス会神学校に通っていた経歴があり、法案に拒否権を行使するのではないかと、法案が発効するための署名の行方が注目されていた。
これまで州法でPASを合法化したのはオレゴン、ワシントン、モンタナ、バーモントの4州。ほかにニューメキシコ州が判例で認めている。