1・2006年 第164回国会
衆議院法務委員会において、報道により明らかになった、福島県立大野病院事件と射水市民病院事件について質疑応答がなされました。
射水市民病院事件は2006年3月25日、 富山県射水市民病院の 病院長が記者会見を開き、2000年から2005年にかけて、 7人の患者が外科部長によって人工呼吸器を取り外されて死亡していたと発表したことで明らかになりました。この7人のうち、1人のカルテについては、家族を通じて本人の同意が得られていることが記載されており、残りの6人については、家族の同意のみが得られたことが記されていました。県警は、08年7月に、呼吸器外しに関与した医師2人を、殺人容疑で富山地検に書類送検しましたが、12月21日嫌疑不十分で不起訴処分となりました。
厚労省ではこの問題を受けて検討会を立ち上げ、翌2007年に「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」をまとめました。すなわち、終末期における医療の在り方に関し、
・ 医師等の医療従事者から適切な情報提供と説明がなされ、それに基づいて患者が医療従事者と話し合いを行った上で、患者本人による決定を基本とすること
・ 人生の最終段階における医療及びケアの方針を決定する際には、医師の独断ではなく、医療・ケアチームによって慎重に判断すること
などが盛り込まれたものです。