【命と向き合って】-ありがとう

父は、糖尿病から腎不全となり14年間、週3回の透析を受けておりました。 「自宅で静かに安らかな最期を」という生前の希望は、ほぼ叶えられたと思っています。自宅ではありませんが。

容態が悪く、入院して2日後の死でした。入院は透析で長年通い慣れた我が家のような病院で、気心の知れた看護師さん、スタッフの皆さまのおかげで、安心して最期の2日間を父と過ごすことが出来ました。救急車ではなく、日頃お世話になっている送迎スタッフの方の車で入院出来たのが幸いでした。

当直の先生でしたが、父の生前の希望と尊厳死協会に加入している旨をしっかりお伝え出来ました。 長年、透析を受けていたせいか、父にとって「死」は常に身近なものだったようです。 何回も何回も、リビング・ウイルの話をしてくれていました。 医師から「転院して造影剤を入れた検査の出来る大きな病院を希望するなら手配します。どうしますか?」と尋ねられた時、「もうこれ以上、父の負担になることは何もしないでほしい」と応えられたのは父のリビング・ウイル、「死」に対する考え方を、父がいつも話していてくれたからだと思います。心から尊敬しています。

大好きな父の死は悲しくてとても淋しいのですが、介護にも看取りにも悔いはありません。何の管も刺されることなく「ありがとう」と静かに微笑んで逝った父。

私もいつかは協会に入会しようと思いながら、何となく先送りしておりましたが、この機会に入会することにしました。今日「会員証」が届きました。心がホッと安心しました。ありがとうございました。

2015.10.23

協会会員 埼玉県 女性