楽しい出前講座 関西支部発

日本尊厳死協会に「出前講座」という、便利で為になる出張講座があることをご存知ですか?
人生の最終章、健やかで安らかに過ごすために準備するべきことを、分かり易く市民感覚でお話しする会のことです。

皆さん「お葬式」や「お墓」については進んでお話を聞きに行かれるのですが、その前の最も大事な期間については見過ごしておられるようです。

日本尊厳死協会関西支部理事を拝命して8年、今でこそ「終活」ブームで「死」について語るのはタブーではなくなってきましたが、ちょっと前まではこんな話題はなかなか受け入れてもらえないものでした。しかし、人生の最終章をどのように過ごしたいのか、きちんと考え、書いておくことの重要性はお伝えしたいし、傍ら「吹田ホスピス市民塾」にも力を入れて「がんになっても安心できる吹田のまちづくり」を目指している私としては、なんとか工夫をして皆様に聞いて頂かなければなりませんでした。それで、関西人ならではのユーモアあふれる話し方で皆様の興味を惹きつける努力をして参りました。

綾小路きみまろさんのTV番組では、こんな話に会場がどっとわきます。

「あの世はどんなところかね?」
「いいところらしいよ・・・だって、誰も帰ってこないから」

私の「出前講座」も、綾小路さんまでいかなくても、毎回和やかで笑いのあふれる会になります。

いきさつをちょっとご紹介します。

○そもそもは、夏の60箇所からスタート:3年前の夏の盛りに・・・「待ちから攻めに」ということで、出前講座のPRに、大阪市内の社会福祉協議会や老人福祉センターなど約60箇所を汗を流しながら巡回訪問。講座の案内書を作り、スライドのサンプルや協会紹介の資料を持参。

○そこで発見したこと:多くの老人福祉センターで、参加者がとても多い、踊ったり歌っ
たりの行事が多く人気、何か真面目なテーマを取り上げると参加者が少ない、しかしこれでいいのかというお気持ちをお持ちの方が多い、事が分かりました。

○尊厳死?:そこでのお薦めテーマは、エンディングノート、お墓、遺言など10項目を。その中に、尊厳死をそっと滑り込ませました。反応は様々。頭から拒絶反応も・・・しかし、「それは、確かに必要だね」と仰せの方も。

○36枚が60枚に:初めのころのテーマは「尊厳死を考える」で、スライドが36枚。
でも、何度か講座を重ねるにつれ、尊厳死だけのお話はこちらの都合だけの「生産者思考」ではないかと考え始めました。そして、徐々に発想を膨らませて、高齢者にとって興味深いお話し「消費者思考」で、テーマは「終活・エンディングノート・尊厳死~自分らしい最期を考える~」となって、このテーマの提案はほとんど受け入れて頂いています。多くのアンケートを拝見しても、この流れで尊厳死を考えて頂くのは、無理がなさそうです。そして、スライドもどんどん増えて60枚、如何に減らすかが私の大きな課題になりました。

○私の武器①ユーモア:どうしても、暗くなりがちな、硬いお話になります。そこで、1時間30分のお話の中で、せめて4,5回は笑っていただけるようにしています。こんな大切な話の中で何だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、アンケートの中では褒めて頂くことが結構あって、ホッとしています。

○私の武器②年齢:尊厳死の講師は、20歳代より高齢者の方が説得力があると思いませんか。お話の途中でさりげなく、「80歳を超えている」とお話をすると、「さもありなん」と納得、頷いて下さるような気がします。

○リピートが相次ぐ:
(A老人福祉センター)講座の募集をしたところ、直ぐに定員いっぱいに、2度目の企画をしたところまたもや定員いっぱい、今秋3度目を。1年半に3回。
(B老人福祉センター)最初の企画が定員一杯で、6か月後に2度目を。

○玉突きオーダー:C老人福祉センターでお聞きいただいた方が、ご自分の主宰される団体にお招き頂き、それを聞きに来られた病院の看護部長さんが更にお招き下さるという「玉突き」オーダーも。

○JC主催の公開講座でも好評:年初に、あるJC主催の公開講座に招かれ、約60名の方がお越しになりました。公開講座とはいえ、JCのメンバーの参加が中心で、50歳以下の方が半数以上と、いつもの出前講座とは参加者の年齢層がかなり若いです。
そんな事で、「おっかなびっくり」の講座になりましたが、終了後に頂いたアンケートを拝見すると、概ねいつもと同じく良いご感想でした。
協会会員さんの平均年齢(75歳)よりうんと若い皆さんとの交流も楽しいものでした。

○育てて頂く喜び:講座終了後、主催者にお願いして、できるだけ簡単なアンケートを頂くことにしています。多くのアンケートから、多くの事を学ばせて頂いてきました。そして、不快に感じられた方の多くはアンケートをお書き頂いていないに違いない、とも思いながら読ませて頂いています。まさに、「我以外、皆師」です。

大阪にお住いの方、一度出前講座に呼んでいただけませんか?
真剣な話を明るく楽しく、ご一緒に考えましょう。
場所をご提供頂けましたら、講師を派遣いたします。

ご相談は、
一般財団法人日本尊厳死協会 関西支部 06-4866-6365
担当:小澤まで、お気軽にご連絡下さい。

財団法人日本尊厳死協会 関西支部理事 小澤和夫